税理士 本橋裕央のブログ

本橋会計事務所 税理士 本橋裕央が、税金に関する情報などを書いています。

キーワード検索:
遺産分割④(相続放棄)
更新日:2015年11月02日

11月14日(土)・15日(日)に開催される相続セミナーの予約を徐々に頂いております。日野市の広報誌である「広報ひの 11月1日号」にもセミナー開催のご案内を掲載しましたので、お早目にご予約下さい。定員は両日20名となります。

さて、今回も引き続き北村司法書士による遺産分割に関する記事の④となります。前回、前々回と遺産分割協議という相続財産の分け方について検討してきましたが、今回は相続財産自体に着目してみたいと思います。

相続財産といえば、預貯金や不動産といった価値のある「プラスの財産」が代表的ですが、金銭債務(借金)のような「マイナスの財産」も相続財産に含まれます。そして、「マイナスの財産」が「プラスの財産」を上回る場合、相続人は相続財産を引き継がなければならないのでしょうか?

このような場合、家庭裁判所に相続放棄を申述し、受理されることで、相続財産を引き継がずに済みます。ただし、注意しなければならないのは、「マイナスの財産」だけでなく「プラスの財産」も含めた全ての相続財産を手放すことになるということです。なぜなら、相続放棄をした相続人は、初めから相続人ではなかったものとされ、相続分を失ってしまうからです。そして、この相続放棄には次のような条件等があり、身内が亡くなった後に行うには、かなり大変な手続であると思います。
①家庭裁判所に対し申述しなければならない
②自己の為に相続開始があったことを知った日から3か月以内に申述しなければならない
③相続財産に手を付けてしまうと、相続放棄を認めてもらえない可能性がある

ところで、遺産分割協議の中では、相続人の一人が相続財産を単独で取得する代わりに債務も全額負担するといった内容のものが、よく見受けられます。

しかし、そのような場合であっても、債権者が承諾しない限り、他の相続人が債務の負担を免れることはできず、法定相続分の割合で各相続人に承継されます。

もっとも、相続人間の内部分担としての合意として協議を成立させることはできます。このことは、金銭債務は“相続財産”であって“遺産分割の対象”ではないということを意味します。
 
このように、被相続人が残した借金を完全に放棄するには、面倒でも家庭裁判所に相続放棄を申述する必要があるのです。