税理士 本橋裕央のブログ

本橋会計事務所 税理士 本橋裕央が、税金に関する情報などを書いています。

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住宅取得等資金の贈与税の非課税

今日で、仕事納めとなる会社が多いのではないでしょうか。税務署や都税事務所なども本日が御用納めとなります。午前中に立川税務署に行きましたが、署内は特に混雑はなく、帰りがけに寄った銀行の方がかなり込み合っていました。

以前、贈与税の基礎控除額は、年110万円というお話をしました。これは、暦年課税制度と言われるもので、贈与を受ける方一人につき、毎年110万円の基礎控除額(課税最低限の定め)が設けられています。

暦年課税制度とは別に、平成27年1月1日~平成31年6月30日までの間における贈与について、「住宅取得等資金の贈与税の非課税」(新非課税制度)というものがあります。
こちらは、住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等に充てるための金銭を直系尊属である父母や祖父母から贈与を受けた場合、平成27年中においては最大1,500万円(省エネ等住宅以外は1,000万円)まで、贈与税が非課税となる制度です。適用要件の詳細は、こちらをご覧ください→住宅取得等資金の贈与税の非課税(国税庁パンフレット)

基礎控除額110万円とは別枠の非課税限度額1,500万円(1,000万円)なので、今年、要件を満たして、住宅用の家屋の新築に充てるための資金1,110万円の贈与を受けた場合、1,110万円-1,000万円(住宅取得等資金の非課税)-110万円(基礎控除額)=0となり、贈与税の納税はありません。
ただし、贈与税の申告を期限内に行うことが必要ですので、申告忘れの無いようご注意を。

この非課税枠(非課税限度額)は、新築等の対価等の額に課される消費税率と新築等にかかる契約の締結日によって、下記の様に推移してゆきます。

①住宅用の家屋の新築等に係る対価等の額に含まれる消費税が10%の場合
【新築等にかかる契約の締結日】
平成28年10月1日~平成29年9月30日
→省エネ等住宅3,000万円(省エネ等住宅以外2,500万円)

平成29年10月1日~平成30年9月30日
→省エネ等住宅1,500万円(省エネ等住宅以外1,000万円)

平成30年10月1日~平成31年6月30日
→省エネ等住宅1,200万円(省エネ等住宅以外700万円)

②①以外(消費税が8%の場合)
【新築等にかかる契約の締結日】
平成27年12月31日まで(あと3日)
→省エネ等住宅1,500万円(省エネ等住宅以外1,000万円)

平成28年10月1日~平成29年9月30日
→省エネ等住宅1,200万円(省エネ等住宅以外700万円)

平成29年10月1日~平成30年9月30日
→省エネ等住宅1,000万円(省エネ等住宅以外500万円)

平成30年10月1日~平成31年6月30日
→省エネ等住宅800万円(省エネ等住宅以外300万円)

今年もあと3日ですが、当事務所は今日が仕事納めとなります。
本年中は、大変お世話になりました。改めてお礼申し上げます。
来年も引き続きご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げますm(__)m

平成28年度税制改正の大綱

今年は24日(木)のクリスマスイブに平成28年度税制改正の大綱が、閣議決定されました。年をまたいで決定することもありますが、だいたい今頃に翌年度の税制改正大綱が発表されます。

平成28年度の税制改正大綱はどのようなものでしょうか?
閣議決定の翌日25日の金曜日の新聞にも税制の改正がどのように身近な生活に影響するのか紹介されていると思います。大綱は108ページとややボリュームがありますが、原文が、財務省のホームページで発表されていますので、ご覧になってみてください。

改正のいくつかを紹介してみます。
◆サラリーマンの通勤手当は、一定額まで所得税が課されない決まりになっています。現在は、その上限が月額10万円ですが、平成28年1月1日以後に受けるべき通勤手当については、その上限が月額15万円となる予定です・・・18ページ

◆給与の支払者が一定の帳簿を備えている場合、本来マイナンバーを記載すべき書類に記載をしないですむようになる様です。また、マイナンバー記載の対象書類が見直されます・・・21ページ、83ページ

◆法人税の税率が段階的に下がる予定です。
現在の法人税率は23.9%ですが、①平成28年4/1以後に開始する事業年度については、23.4% ②平成30年4/1以後に開始する事業年度については、23.2%となる見込みです・・・40ページ

同時に法人事業税の税率も下がり、国と地方の法人実効税率が現在の32.11%から平成28年度より29.97%、さらに平成30年度より29.74%と下がり、ついに30%をきる見込みです・・・108ページ

◆平成30年4月1日以後に開始する事業年度において、青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越期間及び連結欠損金の繰越期間が、現行の9年から10年に延長されます・・・41ページ

◆直前までニュースになっていましたが、消費税の軽減税率制度が導入される予定です。導入は平成29年4月1日からで、飲食料品(酒類、外食サービスを除く)と定期購読契約の新聞の消費税率が8%(それ以外は、10%)となります・・・62ページ、91ページ

◆自動車取得税が、平成29年3月31日をもって廃止される予定です・・・64ページ

個人、法人、日々の税理士業務に関わる改正大綱を簡単に挙げてみました。私もこれからじっくり改正の内容を読んでみたいと思います。
消費者として、消費税を支払う立場ではありますが、消費税額の計算を行う税理士として、軽減税率の導入により、税率が複数となって、計算方法がやや煩雑になりそうなのが気がかりです。

納付や申告の期限が過ぎてしまった場合

今日は、平成27年度(第65回)税理士試験の合格発表の日です。税理士試験の受験生にとって良い一日であります様に。5科目合格者は、官報に公告されますので、ご覧になってみて下さい。もしかしたら、お知り合いの方が合格されているかもしれません。

以前、税理士試験の受験科目についてお話しました。会計科目の簿記論と財務諸表論、税法科目の法人税法、所得税法、相続税法、消費税法又は酒税法、事業税又は住民税、固定資産税、国税徴収法が受験対象の科目となります。

単に税金と言っても、いろいろな税があり、上記の税理士試験科目(税法科目)の他にも、印紙税・登録免許税・ゴルフ場利用税・軽油引取税・入湯税・たばこ税・不動産取得税・事業所税など多岐にわたります。
日々努力はしていますが、税理士といっても全ての税を深く理解するのは、難しいところです。

税理士が、日々の業務で主に扱う税金は、企業活動の所得に課される法人税・事業税、個人の所得に課される所得税、事業に関わる消費税、個人が相続や贈与等で取得した財産に課される相続税・贈与税といったところです。

そして、これらの国税の納付が遅れた場合等に課される利息的・罰則的な税金に関わることもあります。納付を忘れて、期限が過ぎてしまい、大変心配される方がいらっしゃるので、どの様なものか見てみましょう。

まず、利息的・罰則的な税金には、下記のものがあります。
①延滞税
 納付期限を過ぎて納付した場合、納付遅延に対する遅延利息に相当する税

②利子税
 延納・申告の延長が認められた際の約定利息に相当する税(遅延ではない)

③加算税
 1.過少申告加算税
  期限内に申告したが、申告書に記載された金額が過少だった時の罰則的な税
 2.無申告加算税
  期限内に申告しなかった場合の罰則的な税
 3.不納付加算税
  源泉徴収した所得税を期限内に納付しなかった時の罰則的な税
 4.重加算税
  上記1~3の加算税が課される場合で、事実の仮装・隠蔽等がある時などの
  罰則的な税


では、それぞれの利息的・罰則的な税金が課された場合、どのように計算されるかというと、平成27年においては下記の税率を、本来納付すべき税額に乗じて算出します。
①延滞税・・・年9.1%(納期限の翌日から2ヶ月は、年2.8%)

②利子税・・・年1.8%

③加算税
 1.過少申告加算税・・・10%
  (本来納付すべき税額と50万円とのいずれか多い金額を超える増差額に
  ついては15%)
 2.無申告加算税・・・15%
  (納付すべき税額が50万円を超える部分については20%)
 3.不納付加算税・・・10%(納税告知を予告しない期限後納付は5%)
 4.重加算税・・・35%又は40%

申告を期限内に済ませても、納付を忘れてしまうと、延滞税など無駄な出費となってしまいます。申告・納付お忘れなく。

贈与税の基礎控除

今年もあと2週間ほどで仕事収めです。その後、休みに入って、年賀状書きや大掃除などをしていると、あっという間にお正月ということになります。忙しい師走で、年内にやらなければならない事をド忘れしていませんでしょうか?

以前に、相続税の基礎控除の記事を掲載しました。基礎控除とは、課税最低限の定めであり、課税遺産の総額が基礎控除額以下であれば、相続税の納税は生じません。この基礎控除は相続税だけでなく、贈与税にもあります。

贈与税の基礎控除額は、年110万円です。相続税については、今年から基礎控除額が引き下げられましたが、贈与税の基礎控除額は昨年と同じで変更はございません。ただし、前々回でご紹介しました様に、贈与する相手先等の条件により税率が分けられるなど、税率が改正されています。

贈与税の場合、基礎控除額が年110万円ということは、1年の間に110万円までの贈与を受けても、贈与税の納税が生じないということです。
27年の新春1月に60万円、27年の5月の子供の日に30万円、27年の年末12月に20万円、年間合計で110万円の贈与を受けた場合、これは年間基礎控除額110万円以内の贈与であり、贈与税の納税は生じません。

前々回の記事の贈与の例を少し応用します。
今年27年に35歳の長男が実父から300万円の現金と200万円の家屋の贈与を受けるとすると、485,000円の贈与税が生じます。
(300万円+200万円-基礎控除110万円)×15%※-10万円=485,000円
※贈与税の速算表より

これを、今年は300万円の現金だけの贈与を受けて、年を明けて来年、新たに200万円の家屋の贈与を受けたとなると・・・
今年:(300万円-110万円)×10%=190,000円の贈与税が発生
来年:(200万円-110万円)×10%=90,000円の贈与税が発生
2年間で合計280,000円の贈与税の納税ということになります。
基礎控除を2年使い、贈与税率も低い段階の税率が適用されます。

今年も残りわずかです。
数日の差で、税額に差が出ることもありますので、贈与の予定のある方は、お手続きをお忘れなく。

知っておくべき相続の基礎知識(立川市開催)

税理士と司法書士による第2回相続セミナー「知っておくべき相続の基礎知識」の開催が決定しました。少し先になりますが、来年2016年2月6日(土)・7日(日)に立川市子ども未来センター(立川市錦町3-2-26)にて開催致します。両日ともに13:30~17時の時間となります。

立川市子ども未来センターというとあまり馴染がないかもしれませんが、立川まんがぱーくと同じ建物で、そちらの1階にある、新しくキレイな会議室での開催となります。

立川まんがぱーくは、中央線の立川駅、多摩都市モノレールの立川南駅、南武線の西国立駅の中間くらいの場所なので、各駅からの徒歩、バス又はお車でのご来場になると思います。今回は、有料駐車場が併設されていますので、お車でのご来場も可能です。

バスでお越しの方は、立川駅南口より国立駅南口行きの(国15-1)に乗り、子ども未来センターで下車、又は国立駅南口行きの(国15-2、国20-5)に乗り、たましんRISURUホール(立川市市民会館)でお下りください。
お車の場合、駐車料は最初の1時間無料、その後20分ごと100円となります。

セミナーの内容は、そもそも相続とは?から始まり、各相続人の相続分、遺言、遺産分割協議、相続財産の名義変更などの基礎知識と、相続税の計算方法、具体的な相続財産の分割例を見ながらの相続税比較等となります。
さらに、前回のセミナーでご好評いただきました相続税額早見表を付録としてお渡し致します。
また、お時間に余裕があるようでしたら、立川市内の路線価図を見ながら、セミナー参加者様の土地の相続税評価額の算出、相続税の試算もできればと考えております。

一般的に納税者がご興味を持たれる相続税の節税については、セミナーの趣旨「相続の基礎知識」とお時間の都合上、相続税の軽減効果が大きい「配偶者の税額軽減」と「小規模宅地等の減額」についてお話をさせて頂こうと思います。
各個人の生活・家族構成・資産状況などは、人それぞれすべて異なります。よって、その終焉である相続もすべて異なってくるのが当然で、画一的な相続税の軽減手法というのは、ご紹介しづらいところです。

それらを含め、セミナー終了後15時から、同会場で無料相談(事前予約制)もございますので、ご興味のある方は、ぜひご参加下さい。
参加予約の受付は、こちらのホームページでも承っております。
「相続無料相談予約受付」

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